2008.10.26
[更新/お知らせ]
第21回東京国際映画祭 クロージングセレモニー
10月26日(日)渋谷のBunkamuraオーチャードホールで、第21回東京国際映画祭クロージングセレモニーが行われました。
まずは、黒澤明賞から発表が行われました。
<黒澤明賞>
また、「黒澤明賞」の挨拶では、黒澤監督の娘である和子さんから、「父は、映画は広場だと言っていました。世界の人々が分かり合える素晴らしい広場だと。父が作った30本の映画に共通しているのは、なぜ人間は幸せになろうとしないのだろう、ということです。父が一番願っていたのは、映画を見た若い人が良い映画を作れるようになってほしい、ということでした。」というメッセージをいただきました。
受賞者のニキータ・ミハルコフ監督、チェン・カイコー監督が登壇、それぞれ受賞の喜びを語りました。
ニキータ・ミハルコフ監督は、「自分の作品が、黒澤明監督の目に止まるとは思ったこともなかったのですが、神のお恵みで、作品を観てもらっただけでなく、黒澤監督と友達になって、ウィスキーを飲む仲になりました。その偉大な黒澤監督の名を取った賞をいただけるという事は、私にとって非常に重要なことなのです。ありがとうございました。」と、短い時間のスピーチの中で黒澤監督との交流をお話しいただきました。
学生のときに黒澤作品から多大な影響を受けたというチェン・カイコー監督は、「こうして賞をいただけることは最大の喜びです。ぜひ、映画に携わるすべての人々は“映画”という国際言語で黒澤監督の精神を受け継ぎ、この難しい時代ですが手をつないでいきましょう。」と語りました。そして「ありがとうございました。私はグリーン・カーペットを初めて歩きました。素晴らしいアイデアだと思います。我々映画人も手を携えてともに歩んでいきましょう。」と語りました。
<日本映画・ある視点部門>
「日本映画・ある視点」で作品賞を受賞した『buy a suit』。この映画は、先月に亡くなられた市川 準監督の遺作。壇上では「あの人は、この映画で忘れかけていたものに出会いたいと言っていました」と市川監督の奥様の幸子さんが、涙ながらにご挨拶されました。
<アジアの風部門>
「アジアの風」部門では、最優秀アジア映画賞を『私のマーロンとブランド』が受賞。フセイン・カラベイ監督が登壇しました。カラベイ監督は「ありがとうございます。今回の賞金で、この作品をトルコで公開するこができます。この受賞でさらに自分の作品を多くの人に見てもらうことができるようになり、大変うれしいです。」と喜びを表現しました。
<TOYOTA Earth Grand Prix>
審査員賞と特別賞が発表され、審査員賞を『ブタがいた教室』、特別賞を『ミーアキャット』が受賞。
審査員賞を受賞した『ブタがいた教室』の前田哲監督は、「第1回東京国際映画祭では、尊敬する相米慎二監督が賞を受賞されています。その相米監督と同じ舞台に立ててすごくうれしいです。相米監督が亡くなった時、函館で撮影中だったため、お通夜にも葬儀にも行くことができず、相米監督の事では泣く機会を逃していました。今日はいい機会なので泣きたいです。」と、7年前の9月に亡くなられた相米監督への想いを交え、喜びを語ってくれました。
今年から新設されたTOYOTA Earth Grand Prixは、エコロジーや自然と人間の共生などをテーマに持つ作品の中から、最も優れた作品に贈られます。
そのグランプリに輝いたのは、『フェデリコ親父とサクラの木』。トヨタ自動車株式会社の中井昌幸常務取締役からトロフィーの贈呈がありました。
『フェデリコ親父とサクラの木』のホセ・アントニオ・キロス監督から「ありがとうございます。東京大好きです。スペインに帰りたくありません。みなさんはとても親切でした。大変素晴らしい映画祭でした」と全て日本語での挨拶に、会場からは拍手の嵐。にこやかに壇上を後にしたホセ・アントニオ・キロス監督でした。
<コンペティション部門>
観客賞を『ブタがいた教室』が受賞。
コンペティション国際審査委員長であるジョン・ヴォイトさんをはじめ、審査員の方々が壇上に登場。「この9日間で、一日2,3本の映画を一緒に見てきました。その中で、私たちは強い友情を築きましたが、みなさん全員の意見を聞きながら、この6つの賞を選ぶのはとても大変でした」と委員長からの挨拶から始まりました。
最優秀芸術貢献賞を『がんばればいいこともある』(フランソワ・デュペイロン監督)が、
最優秀男優賞をヴァンサン・カッセル『パブリック・エナミー・ナンバー1(Part1&2)』、
最優秀女優賞をフェリシテ・ウワシー『がんばればいいこともある』、
最優秀監督賞をセルゲイ・ドヴォルツェヴォイ『トルパン』、
審査員特別賞を『アンナと過ごした4日間』(イエジー・スコリモフスキ監督)が、
それぞれ受賞し、いよいよ「東京 サクラ グランプリ」の発表となりました。
見事「東京 サクラ グランプリ」に輝いたのは、5か国合作の『トルパン』。 セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督は喜びいっぱいの様子で、主演の二人も壇上に呼び寄せ、受賞の喜びを語りました。
審査員から、どうやってこの映画を撮影したのだろう、と疑問の声が上がっているなか、監督は「この映画は私にとって最初のフィクション映画です。トルパンは“チューリップ”という意味ですが、実はチューリップは一回も出てきません。でも、女の子の名前が“トルパン”なのです。撮影は町から500km離れた場所で行ったので、砂ぼこりはすごいし、周りに何もありません。主演の二人には“僕らは不可能を可能にすることが出来る、大丈夫だ“と言いました」と興奮した様子で語ってくれました。
各賞の発表の後、受賞者のみなさん、緑のTシャツを着たボランティアクルー十数名がステージ上に上がり、依田チェアマンからクロージングの挨拶が行われました。
「第22回の映画祭は、明日から始まります。来年も環境の重要さを訴えていきたいと思います。今回のグリーンカーペットへの取り組みについて、様々なご賛同、ご協力をいただき、ご意見を取り入れまして “グリーンカーペットクラブ”を創設して、多くの方に賛同していただきたいと思います」と来年への抱負を語った依田チェアマン。
最後は「Action! For Earth」の言葉とともに、両手を掲げたチェアマン。テーマ曲の「ジュピター」が流れ、会場を大きな拍手が包む中、クロージングセレモニーは幕を閉じました。
まずは、黒澤明賞から発表が行われました。
<黒澤明賞>
また、「黒澤明賞」の挨拶では、黒澤監督の娘である和子さんから、「父は、映画は広場だと言っていました。世界の人々が分かり合える素晴らしい広場だと。父が作った30本の映画に共通しているのは、なぜ人間は幸せになろうとしないのだろう、ということです。父が一番願っていたのは、映画を見た若い人が良い映画を作れるようになってほしい、ということでした。」というメッセージをいただきました。
受賞者のニキータ・ミハルコフ監督、チェン・カイコー監督が登壇、それぞれ受賞の喜びを語りました。
ニキータ・ミハルコフ監督は、「自分の作品が、黒澤明監督の目に止まるとは思ったこともなかったのですが、神のお恵みで、作品を観てもらっただけでなく、黒澤監督と友達になって、ウィスキーを飲む仲になりました。その偉大な黒澤監督の名を取った賞をいただけるという事は、私にとって非常に重要なことなのです。ありがとうございました。」と、短い時間のスピーチの中で黒澤監督との交流をお話しいただきました。
学生のときに黒澤作品から多大な影響を受けたというチェン・カイコー監督は、「こうして賞をいただけることは最大の喜びです。ぜひ、映画に携わるすべての人々は“映画”という国際言語で黒澤監督の精神を受け継ぎ、この難しい時代ですが手をつないでいきましょう。」と語りました。そして「ありがとうございました。私はグリーン・カーペットを初めて歩きました。素晴らしいアイデアだと思います。我々映画人も手を携えてともに歩んでいきましょう。」と語りました。
<日本映画・ある視点部門>
「日本映画・ある視点」で作品賞を受賞した『buy a suit』。この映画は、先月に亡くなられた市川 準監督の遺作。壇上では「あの人は、この映画で忘れかけていたものに出会いたいと言っていました」と市川監督の奥様の幸子さんが、涙ながらにご挨拶されました。
<アジアの風部門>
「アジアの風」部門では、最優秀アジア映画賞を『私のマーロンとブランド』が受賞。フセイン・カラベイ監督が登壇しました。カラベイ監督は「ありがとうございます。今回の賞金で、この作品をトルコで公開するこができます。この受賞でさらに自分の作品を多くの人に見てもらうことができるようになり、大変うれしいです。」と喜びを表現しました。
<TOYOTA Earth Grand Prix>
審査員賞と特別賞が発表され、審査員賞を『ブタがいた教室』、特別賞を『ミーアキャット』が受賞。
審査員賞を受賞した『ブタがいた教室』の前田哲監督は、「第1回東京国際映画祭では、尊敬する相米慎二監督が賞を受賞されています。その相米監督と同じ舞台に立ててすごくうれしいです。相米監督が亡くなった時、函館で撮影中だったため、お通夜にも葬儀にも行くことができず、相米監督の事では泣く機会を逃していました。今日はいい機会なので泣きたいです。」と、7年前の9月に亡くなられた相米監督への想いを交え、喜びを語ってくれました。
今年から新設されたTOYOTA Earth Grand Prixは、エコロジーや自然と人間の共生などをテーマに持つ作品の中から、最も優れた作品に贈られます。
そのグランプリに輝いたのは、『フェデリコ親父とサクラの木』。トヨタ自動車株式会社の中井昌幸常務取締役からトロフィーの贈呈がありました。
『フェデリコ親父とサクラの木』のホセ・アントニオ・キロス監督から「ありがとうございます。東京大好きです。スペインに帰りたくありません。みなさんはとても親切でした。大変素晴らしい映画祭でした」と全て日本語での挨拶に、会場からは拍手の嵐。にこやかに壇上を後にしたホセ・アントニオ・キロス監督でした。
<コンペティション部門>
観客賞を『ブタがいた教室』が受賞。
コンペティション国際審査委員長であるジョン・ヴォイトさんをはじめ、審査員の方々が壇上に登場。「この9日間で、一日2,3本の映画を一緒に見てきました。その中で、私たちは強い友情を築きましたが、みなさん全員の意見を聞きながら、この6つの賞を選ぶのはとても大変でした」と委員長からの挨拶から始まりました。
最優秀芸術貢献賞を『がんばればいいこともある』(フランソワ・デュペイロン監督)が、
最優秀男優賞をヴァンサン・カッセル『パブリック・エナミー・ナンバー1(Part1&2)』、
最優秀女優賞をフェリシテ・ウワシー『がんばればいいこともある』、
最優秀監督賞をセルゲイ・ドヴォルツェヴォイ『トルパン』、
審査員特別賞を『アンナと過ごした4日間』(イエジー・スコリモフスキ監督)が、
それぞれ受賞し、いよいよ「東京 サクラ グランプリ」の発表となりました。
見事「東京 サクラ グランプリ」に輝いたのは、5か国合作の『トルパン』。 セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督は喜びいっぱいの様子で、主演の二人も壇上に呼び寄せ、受賞の喜びを語りました。
審査員から、どうやってこの映画を撮影したのだろう、と疑問の声が上がっているなか、監督は「この映画は私にとって最初のフィクション映画です。トルパンは“チューリップ”という意味ですが、実はチューリップは一回も出てきません。でも、女の子の名前が“トルパン”なのです。撮影は町から500km離れた場所で行ったので、砂ぼこりはすごいし、周りに何もありません。主演の二人には“僕らは不可能を可能にすることが出来る、大丈夫だ“と言いました」と興奮した様子で語ってくれました。
各賞の発表の後、受賞者のみなさん、緑のTシャツを着たボランティアクルー十数名がステージ上に上がり、依田チェアマンからクロージングの挨拶が行われました。
「第22回の映画祭は、明日から始まります。来年も環境の重要さを訴えていきたいと思います。今回のグリーンカーペットへの取り組みについて、様々なご賛同、ご協力をいただき、ご意見を取り入れまして “グリーンカーペットクラブ”を創設して、多くの方に賛同していただきたいと思います」と来年への抱負を語った依田チェアマン。
最後は「Action! For Earth」の言葉とともに、両手を掲げたチェアマン。テーマ曲の「ジュピター」が流れ、会場を大きな拍手が包む中、クロージングセレモニーは幕を閉じました。