会期が秋となった第2回開催から、「インターナショナル・コンペティション」部門が加わり、国際映画祭としての土台が築き上げられました。オープニングには市川崑監督の「竹取物語」、クロージングにはベルナルド・ベルトルッチ監督の「ラスト・エンペラー」が上映され、アジアと日本における映画祭を象徴するラインナップとなりました。さらに協賛企画「アジア太平洋秀作映画祭」では、西はイランから、南はオーストラリア、ニュージーランドまで、海洋で世界をとらえた新しい映画・文化的領域を模索する試みが行われました。
同年は、ハリウッドが100周年を迎えた年であり、アメリカからも多くのスターが東京に訪れました。「特別招待作品」で上映されたD・W・グリフィス監督へのオマージュである「グットモーニング・バビロン!」(タヴィアーニ兄弟監督)も記念すべき年に相応しい作品でした。オープニングには、皇太子殿下、同妃殿下(現天皇、皇后両陛下)がご臨席されたほか、エリア・カザン夫妻、ジューン・アスリン夫妻、大島渚監督、篠田正浩監督・岩下志麻夫妻、黒澤明監督などが出席されました。
東京グランプリ賞・都知事賞
「古井戸」 (ウー・ティエンミン(呉天明))
審査員特別賞
「シルビーの帰郷」 (ビル・フォーサイス)
最優秀監督賞
ラナ・ゴゴベリーゼ (「転回」)
最優秀女優賞
レイチェル・ウォード (「普通の女」)
最優秀男優賞
チャン・イーモウ(張藝謀) (「古井戸」)
最優秀芸術貢献賞
ジョン・ブアマン監督
(「希望と栄光の日々」※公開題名「戦場の小さな天使たち」)
最優秀脚本賞
ビル・フォーサイス (「シルビーの帰郷」)
特別功労賞
ジョン・ヒューストン監督 (「ザ・デッド」)
ゴールド賞・都知事賞
ハリー・フック監督 (「キッチン・トト」)
さくらシルバー賞
スティーヴ・ゴマー監督 (「ホテル・ロレイン」)
国際映画批評家連盟賞
「旅人は休まない」 (イ・チャンホ)
国際映画批評家連盟賞〈特別賞〉
「古井戸」 (ウー・ティエンミン(呉天明))